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『終戦記念に思う』

八月十五日は終戦記念日です。その少し前に読んだ実話を基に脚色した小説に触れてみたいと思います。日本が世界に誇った戦闘機ゼロ戦のパイロットが主役の物語です。当時、日本の軍人はお国の為には滅私奉公し、それを人生の目標と生き、天皇と祖国へ命を捧げる精神です。それこそ日本の理想的軍人像でした。しかし、その主人公は妻と子供への愛に生き、戦いで立派に死のうとは考えませんでした。当然上官や同僚の支持は得られません。それでも生きて帰りたいと願いながら終戦間際に抵抗虚しく特攻隊員として戦死して逝ったお話です。時代が代われば夫が妻や子を思い、死を拒み、生きる為に戦かって何が悪いかということですが、当時のムードはそれを許しません。そこには現代にも通じる教訓が幾つも盛り込まれていました。周囲の雰囲気に惑わされノーと言えない人や思いを消耗させながら生きる人が今でもいる事です。終戦記念日に靖国神社へ参拝も出来ない総理大臣も日本にはいます。この主人公のように、生きて帰ることを目的に、あの雰囲気の中で特攻への志願を拒否し続けた勇気には考えさせられます。今、正に太平洋戦争は忘れ去られようとしています。子供達はアメリカと日本が戦争をした事実もよく知りません。勿論、硫黄島や沖縄での悲惨な玉砕もです。実は孫娘が小学生の時に訪れた沖縄のひめゆりの塔で、当時のお話を聞き感動して帰り二年経った今、既にそのことは忘れています。それほど日本は平和で振り返る必要のない不幸は忘れ去られるのです。大きな犠牲を払った戦争を忘れ去る日本。未だに日本から受けた酷い仕打ちを忘れないアジアの諸国。日本人は寛容の精神に富み、情けを知る国民でありたいと心がけて来た民族です。非人間的と云えば大量殺戮に等しい米軍の東京無差別爆撃や、広島長崎での原爆投下で何人の非戦闘員が命を落としたでしょう。それにも関わらずアメリカに怨みを唱える代わりに全てを受け入れて来たのは何故か。戦争であれば勝つ事が正義です。しかし、どう勝つかが問題なのです。私の少年時代に進駐して来たアメリカ軍の印象は、それはスマートで紳士でした。一兵卒に至まで礼儀も正しく好感の持てる人達でした。決して戦勝国の横暴を感じさせはしませんでした。子供に何が判るかと言われますが、子供は大人以上に虐待や侵略には敏感なのです。大人が故意に悪意を持たせようとしても子供はそれを察知する能力もあります。アメリカは日本を完膚無く叩きました。しかし、後始末も後の面倒も忘れませんでした。敗戦時の日本は国家的に風前の灯火だったのです。米.英.ソ.更には中国迄も日本を分割して統治したいと云う欲望があったと聞きます。そんな事になっていたら今の日本はどうだったでしょう。米国は当然自国の利害を考えての上であったとしても一国で日本の統治を行ったのです。だからこそ日本も被った不幸を忘れ去る事が出来たのかも知れません。戦勝国の良心を持って敗戦国の日本と接し、全てとは言いませんが後の憂いも減らしてくれたのは確かです。日本人の悪癖は勢いが付くと専制の政策を敷き、それを正義と思い込む“習性”がある事です。アジアでいまだに日本のした事を許さない理由もそこら辺りに有るように思えてなりません。それが近代日本の企業にも見受けられるのが残念で、哀しいのです。我々には多くの犠牲を払い、得た道標があります。今また同じ道に迷い込んでしまっては犠牲になってくれた人々に申し訳がありません。今、更に企業も悪しき日本人の習性を改め、先の大戦を教訓にすることこそ国家に命を捧げた方々への最大の供養になり、歴史へのオマージュにもなるのではないでしょうか。

2010年8月18日

一風



 
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