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『君子の交わりは淡きこと水の如し』

既に築き上げた人との関係であってもその扱い方次第で失い、消えて行くことを旨に交際を続けて行かなくてはならないことを痛感します。

年も若年の頃は濃く深い友情を良しとして来ました。男性に限らず男女共に互いに関わりを深くし、血縁以上にベタつくほどの関係ですが、それが時を経て互いに人間を知る事により傷つき傷つけ、結果裏切りも経験します。そのあげく、落ち着く場所は『君子の交わりは淡きこと水の如し』となるのではないでしょうか。これは荘子の有名なことばです。一見、冷めた真理を解いたもののように感じますが、大切な”友”を保つ良策なのです。

現在、僕の付き合いは仕事と個人に分けることになります。仕事でのお付き合いで特に気にかけますのは印象です。たとえ相手様に好感を待たれても、もたれなくとも仕事上必要であれば交わりを保たなければなりません。ならば出来る限り悪い印象を先方に与えない努力が肝要になります。これは仕事と割り切ればさほど難しいことではないのです。しかし、逆に好感度の高い相手様との係わりの方が難しさを感じます。何故ならば感情が心に働きかけるからでしょう。そんなとき僕は接触も親睦も必要最小限度に押さえて淡白に接しております。せっかくの縁をお互いに気詰りになってしまう事を避けたいからです。
より深く、より親しい関係は同時に目にみえない負担も生まれるものです。

個人的なお付き合いとなると常に自由であり、好かれるも嫌われるも個人単位で測れます。そこは仕事関係と異なり利害が伴わない為、巧く計らう必要性もないのですから。
但し、間違って利害関係が生じますとこれはビジネスと同じに取引になるのです。お互いに相手を利用しようと言う意図が生まれるからでしょう。
営利を目的とする取引相手とのお付き合いにおいては当然の事でも個人の付き合いに相手からのアドバンテージ(Advantage=有利な立場)を期待するのは淋しいお話です。実は僕には仕事上の関係であっても知己を得ている方からは アドバンテージを期待してならないと言う頑な思いがあります。利害を目的のビジネスの世界にあって、それは甘く且つ誉められないことかも知れません。しかし、理屈では済まされない思想なのです。腹を見せている相手を刺せない心理です。
武士道精神に儲ける、得したの感情は紙のように薄いのです。法度にするまでもなく個人の交友関係において相手からのアドバンテージを期待するなど意識にないのです。

なお、こちらからの願いを断り難い相手に懇願することも潔しとはしません。それは逃げ場のない相手を追いつめるに等しい卑怯な振る舞いだからです。
結局の所、交友や知己とは無償でなくてはならないものなのです。
お互い負担をかけ合わないことこそ『君子の交わり』なのです。
請われて行う親切は友情や親しさの証とはなりません。
義務感が介入し、負担となり”悪い気”が相互に立ち始めるものです。

とは言え友人からの頼みをクールに超越した価値観で対応するを良しとする訳ではなく,そこには一歩引き淡々とした間柄にも本来の人情も存在するのです。
当然損得を度外視した犠牲もあり、逆に納得すれば友に命を預けるほどに重たく深いものもありながら、如何なる知己も義務や利害感が介入した時点で価値が消え去ります。

人間の付き合いとはそれほど深く厳しいものなればこそ、帰するところ淡白になって行くのです。『君子の交わりは淡きこと水の如し』が、それを物語っていると思います。

 

 

塾長 成嶋弘毅 
2009年4月24日
 





 
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